毎日新聞  2000年5月2日


特報・鳥獣輸入:
日本鳥獣商組合連合会証明書にずさん?な実態

 ペット商などでつくる「日本鳥獣商組合連合会」(日鳥連、本部・東京都)が、野鳥の輸入業者らに発行する「鳥獣輸入証明書」をめぐり、1997年から約2年半の間に発行された146種の野鳥のうち約18%の27種(約8700羽)が、マレーシアには生息しないのに「マレーシア産」と偽ったものであることが2日、市民団体の調べで分かった。27種は、いずれも中国産とみられる。当時、中国の野鳥の主要輸出港である香港でインフルエンザが流行し、香港からの野鳥輸入が自粛されていたことから、業者らが原産地をごまかしたらしく、東京税関も国内2業者を関税法違反(原産地虚偽申告)で摘発していた。野鳥輸入のずさんな実態が明らかになったのは初めて。

 鳥獣輸入証明書は、捕獲・販売が禁止されている国内鳥と、法的規制のない輸入鳥を区別するために、日鳥連が通関証明書を持っている野鳥輸入業者に発行、輸入鳥を売買する時はこの証明書を添付する。しかし、鳥の専門的知識のない税関職員は原産地を偽った輸入鳥を見抜けないうえ、日鳥連も通関した輸入業者から申請があれば、鳥の検査なしに「フリーパス」で発行しているという。

 市民団体の全国野鳥密猟対策連絡会(京都市)と、山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)が、97年1月から99年7月に輸入証明書が出された146種の鳥の原産地を調査。マレーシアに生息しないメジロ、ホオジロ、ヒガラなど27種が「マレーシア産」とされていた。これら27種の従来の輸入先は中国であることから、市民団体はこのケースも中国産とみている。

 香港では97〜98年、ニワトリを感染源とする新型インフルエンザが流行。日本では97年12月から、香港からの野鳥輸入が自粛された。このため、業者らはマレーシア経由で中国産野鳥を輸入、原産地もマレーシアと偽って税関を通過後、輸入証明書を入手し、ペット商らに販売したらしい。

 これに絡み、東京税関は昨年1月、98年2〜6月に中国産野鳥をマレーシア産と偽って輸入したとして、東京都と愛知県内の2業者を関税法違反で摘発、計数百万円の異例の罰金処分にした。

 日鳥連は「税関の出した通関証明書に基づいて輸入証明書を発行している。業者のモラルを信じるほかない」と釈明している。【清水 勝】

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